拳と大剣が激突し、その度に拳が見るも無残に押し潰される。

しかし、拳はすぐに再生し傷つくもの厭わないと再び大剣とぶつかり合う。

『地師』とヘラクレスが互いに一歩も退かぬ肉弾戦を演じている中エミヤは朗々と詠唱を唱えようとしていた。

六十五『絆』

「・・・・・・・・・(身体は剣で出来ている)」

「・・・・・・・・・(血潮は鉄で)」

しかし、詠唱を察した『地師』が大声で己が妻に呼びかけた。

「メリッサ!奴を止めろ!」

「はいっ」

『地師』の掛け声に呼応した『水師』がアルトリア、ランスロット、少年ギルガメッシュを相手にしながらエミヤへ雨と雹を次々と降らせる。

当然だが詠唱などできる筈もなく詠唱を中断して回避行動に専念する。

専念しなければ冗談抜きでエミヤは蜂の巣になる。

「ちぃ!セイバー達を相手にしてまだ尚こちらに攻撃を振り分けられるだと!」

エミヤがそう零すのも無理はない。

エミヤの見る限り、そして実際『水師』はアルトリア達への攻撃が緩んでいる形跡など全く無い。

英霊三体を相手に一歩も退かず戦いながらなおも自分にこれだけの猛攻を繰り出せる『水師』のポテンシャルはどれ程のものなのか?

だが、それも当然と言えば当然、『水師』は確かに近接戦での技量は『六師』で最低であるが幻獣王との適合率では『六師』最高で、幻獣王の力を最も強く引き出す事が出来る彼女だからこそ出来る芸当であるだけ。

当然だがこのまま推移していけば互角から苦戦、そして劣勢に追い込まれる事は明白、それを肌で感じ取ったのかヘラクレスが半ば強引に均衡を崩そうと猛攻を繰り出そうとする。

だが、それを『地師』は自身の右腕を盾にして、大剣を腕半分めり込ませた状態で筋肉を収縮、こちらも半ば強引に大剣の動きを封じ込め、左腕をカウンター気味にヘラクレスに繰り出す。

その拳は何の抵抗もなくヘラクレスの鋼の肉体を貫き心臓を肺を、さらには貫いた拍子に背骨をも破壊する。

当然だがこれでヘラクレスは一回死んだ。

しかし、彼には『十二の試練(ゴット・ハンド)』がある。

『聖杯戦争』の折、ギルガメッシュとの戦いで二回命を失ったが、それでも尚十の命がある。

致命傷である筈の自身の傷にお構いなしに『地師』の腕を無造作に掴むや自身の胸元に引き込み、渾身の力を込めて、片腕で締め上げる。

これだけで『地師』の骨は次々と粉々に粉砕され、その拍子に大剣をせき止めていた筋肉は弛緩、やすやすと右腕を両断、右肩から左の腰部分へ一直線に両断、さらには返す刀で下半身を更には上半身を力の限りに切り裂き押し潰し、あっという間に『地師』の肉体は血と臓器の残骸、そして骨の欠片、その他諸々に塗れたただの肉の塊に変貌を遂げた。

当然だが『地師』の完全蘇生ならばここまでされたとしても死ぬ事はない。

時間はやや掛かるだろうがそれでも彼は死なない。

現に周囲に飛び散った骨はすでに集合を始め元の形を取り戻し始めている。

その間ヘラクレスとしては『水師』を抑えに回りエミヤを援護する腹つもりでいた。

しかし、それは潰える。

結果論だがヘラクレスはやり過ぎたのだ。

たとえ、必ず甦るとわかっていても目の前で最愛の夫が原型をとどめないほど無残に惨殺されれば妻はどう思うだろうか?

泣き叫び、憎悪を向けてくるだろう。

ましてや『水師』の『地師』への依存は志貴に対して『七夫人』翡翠、琥珀が抱くそれをも超える。

そうなればどうなるか?

当然だがこうなった。

「こ・・・の・・・よくも・・・よくも、よくもよくもよくもよくもぉおお!さっさと潰れろぉ!」

先程までの優雅さも気品溢れる口調もかなぐり捨てて、憎悪に美貌を歪ませて叫ぶ、いや咆哮するやヘラクレス目掛けて攻撃を集中させる。

雨、雹、氷柱は元より、ヘラクレスの周囲よりは水弾が絶え間なく全身を乱打し、時折思い出したようにウォーターカッターが縦横無尽に切り刻む。

「あはっ・・・あははは、あっはははははは!切り刻まれろ切り刻まれろ!」

狂ったように笑いながらヘラクレスを一方的に嬲り、その一方でアルトリア達への攻撃は微塵たりとも緩んでいない。

『十二の試練(ゴット・ハンド)』を持つヘラクレスだからこそ長時間受け続けているが他のメンバーであればとっくに『地師』よりも無残な肉塊に成り果てていたはずだ。

「くっ!ヘラクレス!」

とっさにエミヤはヘラクレスの救援に向かおうとするが、それは他ならぬヘラクレスの視線で止められる。

今の内に詠唱をと眼で言っている。

ここは自分が耐え忍ぶと態度で宣言している。

ならば自分に出来る事はただ一つ。

それを応える形でエミヤは詠唱を再開させた。

「・・・・・・・・(心は硝子)」

「・・・・・・・・(幾たびの戦場を超えて不敗)」

「・・・・・・・・(ただの一度も敗走もなくただの一度も理解もされない)」

「・・・・・・・・(彼の者は常にひとり、剣の丘にて勝利に酔う)」

「・・・・・・・・(故にその生涯に意味はなく)」

「・・・アンリミテッド・ブレイド・ワークス(その身体はきっと剣で出来ていた)」

その世界の真名を朗々と命じると同時に炎が周囲を奔り、周囲の光景を一変させる。

「!!しまった!」

その変貌に今まで狂気に満ちた笑みでヘラクレスを壊しにかかっていた『水師』も我に返る。

その瞬間水と氷の猛攻が止まり、その瞬間を見逃すはずもなく、アルトリア達に加えてヘラクレスも、傷だらけになりながらも『水師』に攻撃を加えようとする。

だが、それも阻まれた。

「!!」

突然下からの猛烈な衝撃を受けてくの字に折れ曲がるヘラクレス。

そして、ヘラクレスを下から拳を突き上げた犯人・・・『地師』はそのままの勢いでヘラクレスをアルトリア達目掛けて蹴り上げた。

「!!」

「王よ!」

アルトリアと空中激突するかに見えたがランスロットが割って入りヘラクレスを受け止める。

当然だが受け止めきれる筈もなく、二人揃って地面に叩き付けられる。

「ランスロット!無事ですか!」

「ご心配にには及びませぬ。ヘラクレス殿ご無事か?」

「すまぬ・・・世話をかけた」

「気にする事はない。しかしあの状態で動くとは・・・」

その視線の先では『水師』を守るように立つ『地師』の姿がある。

しかし、その姿は完全な治癒とは程遠く、再生途上の状態、片腕はまだ繋がっておらずに原型を留めぬ肉塊のままで地面で蠢いている。

更にその腹部は大きく切り裂かれ、内臓がゆっくりと所定の位置に戻ろうと『地師』の体内に潜り込もうとしている。

また眼球も片方は神経一本だけ繋がった状態でぶら下がり、右腕と左脚はヘラクレスを蹴りつけた代償だろうか、潰れて骨が露出している。

これでまだ生きている、ましてや動いたなど信じられる話ではない。

そんな壮絶な姿を目の当たりにして息を殺して見ている内に内臓がすべて体内に納まると腹部の傷は綺麗に消え失せ、ぶら下がっていた眼球も納まる所に納まった。

最後に完全に再生された左腕が縫合され、細かい傷口も消え失せ、『地師』の姿は元通りまさしく復元された。

「あなた・・・ごめんさない私・・・」

「済んでしまった事を責めても詮無きこと。それよりもメリッサ、援護を」

「はいっ!」

そう言うや再び『地師』の両腕、両脚は膨れ上がり、『水師』も『ウンディーネ』を展開、今度は感情に支配される事もなく、冷静に、いや、冷徹と呼んでも差し支えないほどその瞳に感情の色は無い。

「さてと・・・ここからが本番だな。向こうも油断は完全に無くなった」

「その様ですね。それとヘラクレス大丈夫ですか?」

「問題はない・・・と言いたいが少々予測以上に相手の攻撃を受けた。『十二の試練(ゴット・ハンド)』のストックは残り一つ」

つまりあと二回死ねばヘラクレスは本当に死ぬと言う事。

「ふむ、君の力任せの強硬はもはや不可能か、では強硬の部分は私の方で受け持とう」

そう言うや周囲から次々と剣が浮かび上がる。

「これは・・・では私も」

そういってランスロットも今まで展開していた『騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)』を封印、その背に身に着けていた『太陽に挑む勇者の翼(イカロスの翼)』を外し、その腰に帯びていた『無毀なる湖光(アロンダイト)』を抜刀、ギルガメッシュから借りたそれもそのままに『無毀なる湖光(アロンダイト)』の二刀流で構える。

ヘラクレスも傷は完全に癒え、大剣を構え、少年ギルガメッシュは質を重視し『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』を展開、エミヤのそれと何時でも呼応できる体勢をとる。

「セイバー、ヘラクレス、ランスロット卿、後衛は私と英雄王に任せろ、君達はあれを」

「わかりました!アーチャー背中は任せます!」

「では参る!」

「後方確かにお任せします」

そういってアルトリア達三人は一斉に『地師』に駆け出し、その三人を迎え撃たんと『地師』も疾走する。

そして、『水師』は夫に手を出さんとする愚か者達を誅さんと再び水弾と雹を降り注がせようとするがそれを無数の剣弾が防衛、『無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)』内での第二戦がこうして幕を開けた。









開始からどれ程の時間が経ったか。

数分かも知れないし、数時間かもしれない。

それほどその場にいた全員時間があいまいになっていた。

息を乱し、荒く呼吸を繰り返すアルトリアの鎧は三分の一が砕け紺碧の衣もボロボロ、ヘラクレスは全身傷だらけで、先程最後の命のストックを使用した。

もう『十二の試練(ゴット・ハンド)』は使えない。

ランスロットに至っては鎧の上半身はほぼ壊され、匠の極みとも呼ぶにふさわしかったその鎧も見る影もない。

エミヤ、少年ギルガメッシュは外傷はないが、『水師』の猛攻からアルトリア達を守るため間断なく剣軍を投入し続けた為疲労が激しい。

エミヤは『無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)』の負担が軽減されているとはいえ固有世界の様に皆無でない以上負担は確実に蓄積される。

一方少年ギルガメッシュは当然だが魔力の絶対量が他のメンバーに比べて圧倒的に少ない。

数を絞り質を重視しても負担が圧し掛かるのは当然だった。

一方、『地師』・『水師』はと言えば、『水師』は無傷であるが『地師』は凄惨な状態だった。

全身に剣が突き刺さり、夥しい出血が大地を濡らす。

しかし、今まで反則と呼んで差し支えなかった完全蘇生がどう言う訳か機能していない。

いや、よくよく見れば治癒は行われている。

行われているがその速度も遅く、範囲も極めて狭い。

何故か?その理由は『地師』に突き刺さる何本もの槍にあった。

ディルムッドの宝具の一つ『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』がその正体、それが突き刺さると同時に完全蘇生の速度と範囲が狭まった。

『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』、の能力は接触時においての魔力の遮断である事は既に周知の事実。

アルトリア達は知る由もないが『地師』の完全蘇生は幻獣王『タイタン』から供給させる力・・・魔力によってなされている。

ならばその繋がりが遮断されればどうなるか?

その結果がこれである。

「慢心・・・これ以外の何ものでもないか・・・一時的とはいえ完全蘇生を止める術を持っていたとはな」

完全蘇生に頼り切っていた自分へ嘲笑を浮かべる。

だが、これを刺した側は明確な確信を持って行った訳ではない。

偶然飛来した『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』がたまたま『地師』に突き刺さった。

今までの激戦、死闘を経て天秤が傾くきっかけがこのような偶然だったとはとても信じがたい思いだったが、時としてそのような些細極まりない事で事態が動く事もある。

それがたまたまこの時だった、ただそれだけの話だ。

過程は偶然であったが、その後は確信だった。

効果があると確信するやエミヤ、少年ギルガメッシュは徹底的に情け容赦なく『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』を投擲『地師』にあるいは『水師』に狙いを定める。

『地師』も必死に防衛するが、一本、また一本と槍は突き刺さり、また『水師』を庇いそれで更に突き刺さる。

卑劣と呼ぶに相応しい戦法だが、エミヤ達からすればある意味くだらない感傷など戦場では無用以外の何物でもない。

戦争は勝った者が正しいのだから。

それをここにいるメンバーの中では、ある意味最も熟知し実践できるのがこの二人だった。

「長期戦はもはや無理か・・・」

事がここまでなり『地師』は覚悟を決めた。

完全蘇生による治癒は忌々しい槍がある限り不可能、抜こうとしても次から次へと新手が襲来し、治癒させる事を許さない。

そうなれば無理を承知の上で決着に持っていくしかない。

短期でいち早くアルトリア達を打破し、その結界を粉砕する。

後は槍さえ抜けば完全蘇生は復活する。

「メリッサ、最後の勝負に出る。俺の背中任せても良いか?」

「はい、無論です。『ウンディーネ』、貴女は剣を防いで」

夫の問い掛けに当然の様に頷く。

「では・・・行くか」

「はいっ!」

同時に『地師』は最大の速力で疾走を始め、その背中を『水師』はついていく。

剣群が次々と降り注ぐがあらん限りの水弾、そして 氷の壁が悉くを弾く。

「うおおおおお!」

あらん限りの力をもって目前まで迫ったアルトリアに拳を振り上げる。

「!!はあああ!」

その前にランスロットが臆する事無く立ちはだかり『地師』の拳に『無毀なる湖光(アロンダイト)』を叩き付ける。

当然だが、やすやすと拳は切り裂かれるが留まる事無く『無毀なる湖光(アロンダイト)』を自分の拳と引き換えに叩き折る。

勢いのまま体当たりをぶちかましランスロットを吹っ飛ばすが、その後ろにはいつの間にか弓矢を構えるヘラクレスがいた。

「『射殺す百頭(ナインライブス)!』」

真名の解放と共に必殺の矢が『地師』に迫る。

「!」

彼の身体能力でももはや交わせない。

「!あなた!」

だが、その矢は『地師』に当たる事はなかった。

『地師』を庇うように前に飛び出した『水師』に矢はすべて命中し、『地師』の前には『ウンディーネ』が作り出した氷の壁が矢をすべて弾き飛ばしたのだから。

「!!メリッサ!」

『地師』の言葉をきっかけとした様に氷の壁は砕け、それを合図とするように『水師』の身体は地面に力なく倒れる。

「ぐぅぅ・・・があああああ!!」

怒りゆえに獣の如き咆哮を上げて跳躍、ヘラクレス目掛けて拳に振りぬく。

しかし、それを再び阻むのはランスロット。

もう一本のそして彼自身の『無毀なる湖光(アロンダイト)』を構えて疾風のように駆けてぶつかる様に『無毀なる湖光(アロンダイト)』を『地師』に突き刺す。

「ぁぁ・・・」

「王よ今です!」

ランスロットの言葉を聞くまでもなくこれが最後にして最大のチャンスと判断したのだろう、アルトリアは自身の聖剣を解放している。

「ランスロット!」

「はっ!」

アルトリアの声と共にランスロットは離脱、それと同時に

「約束された勝利の剣(エクスカリバー)!」

聖剣の一閃は『地師』を両断し止めとばかりに『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』が立て続けにその肉体を貫く。

そのまま長きにわたり決して倒れる事のなかった大地の守護者はついに倒れた。









『水師』・『地師』、この二人が倒れると同時にアルトリア達も膝をつき『無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)』も消失。

周囲は再びパリ郊外に入れ替わった。

「へっ?あ、アルトリア!」

姿を現した一同の壮絶な姿に一応に声を失う。

服も鎧も完膚なきまでに破壊され、あまりの疲労とダメージから立つのも億劫、ここまで追い詰められるとは思いもよらなかったのだろう。

だが、それでも『六王権』側近を倒したと言う事実は人類側の士気を最大限にまで高めるのに有効だった。

今まで苦しめた雨も雹も止み、結界の中で籠っている理由もなくなり一気に総攻撃を開始する。

そんな中・・・悠久の時の中夫婦として固く深い絆で結ばれていた大地と水の師はお互い寄り添う様に最期を迎えようとしていた。

「すまんなメリッサ」

「いいえ、私がこうしたかったから自分に正直に生きただけ。それに目の前であなたが死ぬ光景をまた見るのは耐えられません」

人であった頃の悪夢に等しいあの光景を思い出しながら囁く様に声を発する。

互いに苦痛の色は無い。

ただ無念のみがその胸中にあった。

主君の宿願を叶える力となれなかった事を

だが、それでも彼らには出来る事があった。

「・・・長年俺の力として盾として俺につき従ってくれた事心から礼を言いたい。だが、もう良い。お前は我々の分まで力になってくれ陛下のお力に」

「ええ・・・私達はあなた達の仮の主それが元に戻るだけ、お行なさい。陛下の元へ」

「行け『タイタン』」

「行きなさい『ウンディーネ』」

その言葉と共に二人の身体から岩と水の球体が浮き上がりそれは二人の望む方向に飛んでいく。

同時に二人の身体は崩壊を始め、灰になっていく。

「あなた・・・地獄でもどうか私をお傍に・・・」

「ああ・・・向こうで会おう我が妻よ・・・」

その言葉と共に二人の人間は二つ灰の山となり灰は風と共にばらばらに散って行った。









その後は書くまでもなく、人類側は『六王権』軍を悉くを殲滅した。

アルトリア、ヘラクレス、ランスロット、はダメージ過多で前線を離脱したが、エミヤ、少年ギルガメッシュは疲労を押して無傷のメドゥーサ、バルトメロイ、『カレイド・エンジェルズ』は今まで抑え込まれていた分爆発させるようにその力を『六王権』軍の残党に叩き付ける。

『六王権』軍壊滅にさほど時間はかからなかった。

ロンドン、イギリス海峡、モスクワ、セビーリャ、パリ、最終決戦は次々と収拾されていく。

残るは最後の『六師』二人と『七夫人』達が死力を尽くすイスタンブールと全ての終わりを示す『闇千年城』だけ。

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